手術のキズ

【手術のキズ】
鼠径ヘルニアの手術を腹腔鏡で行う場合、キズ痕は小さくめだちません。
この写真は術後1週間の様子ですが、右5mm、臍5mm、左3mmのキズがあります。
臍は従来10mmでしたが、5mmで可能となってからは臍の形がほとんど変化することなく仕上げることができるようになりました。
左右の5mmと3mmを比較するとご覧の通り、5mmのほうが若干大きく見えますが、数か月以上の長期に渡ってみればほとんどわからなくなります。触ってみると少し硬く感じることもあると思いますが、それも次第に柔らかくなっていきます。
キズ痕は年月が経てば経つほどわからなくなり、9割の患者様には1年以上経って、自分でもよく見ないとわからないほどきれいになると報告いただいています。実は1割の患者様はいわゆるケロイド体質のため、ミミズ腫れのような痕が残ってしまうこともあるのです。見た目を気になさらないかたは放置されてかまいませんし、時折痒い感じがあっても心配する必要もありません。
美容の観点でご迷惑をおかけしていることをお詫び申し上げます。
ただ、こういったケロイドの体質のかたこそ、腹腔鏡手術の良い適応だと言えるのかもしれません。
なにしろ、切開で4~5センチも切ってしまったら、その分のミミズ腫れも硬く大きくなってしまうのですから。このミミズ腫れを少しでも改善するにあたり、若干の2次治療を提案可能です。ご希望の患者様は診察いたしますのでご連絡ください。

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鼠径ヘルニア 再発に対する治療 最新動画公開

※本文末尾に動画のリンクがあります。実際の手術映像ですので、苦手な方はご遠慮ください。

当職の投稿は患者さんのみならず多くの医療関係者にご覧いただいております。
今回は比較的最近行われた再発鼠径ヘルニアに対する手術動画を供覧いたします。
再発でお困りの患者さんご自身にはもちろんのこと、ヘルニア外科医を目指す若い先生たちのお役にたてれば幸いです。そして、初発のヘルニアの患者さんたちにとっても、このような高難度の手術をこなせるこのテクニックを安心の材料にご来院いただければと思います。

お問い合わせ、診察予約は、当職サイトで承っております。
http://www.dr-hernia.info/

公式サイト「再発に関する特集」はこちら。
http://www.dr-hernia.info/column/z-hernia8.html

(説明:患者さん用)
左側の再発鼠径ヘルニアです。メッシュが覆い損ねている内側(映像右側)にくぼみが生じています。これが再発したヘルニアです。外側(映像左側)も不十分なのでこちらにもメッシュを敷くことにしました。今回は古いメッシュの大部分を摘出しました。新しいメッシュをきれいに重ねることができる場合は摘出しないこともあります。古いメッシュを剥がす操作は様々なリスクを伴うので、本当に必要な時に限って行います。当然のことですが、重要組織を損傷することなく再手術が行われ、新しいメッシュを十分な範囲に敷くことができました。

(説明:医師向け)
鼠径ヘルニア 60代男性、左側、クーゲル法術後の再発です。
普段もメッシュ摘出には拘っていませんが、この症例は新たなメッシュの敷設の妨げになりそうだったので可能な限り摘出しました。クーゲルの場合は大腿裂孔からクーパー靭帯にかけてのメッシュは剥がしとるのが困難なことが多い印象です。
症状の主因は内側のヘルニア門ですが、背外側の処理も甘いので、ここもカバーできるように計画しました。これで前回の術式は完全にリセットされ、通常TAPPの範囲をリペアできますので、total replacement(TP)と呼んでいます。リスクとのバランスによるでしょうが、私個人としては可能な限りTPするべきと思っています。何しろ、次、再発が起こるとしたら、最後の術者の責任になるわけですから。
この症例では下腹壁血管は切断しなければ先に進めませんでしたが幸い、精索は温存することができました。
男性の場合は、精索を犠牲にしてよいか必ず術前に確認しておくべきと思います。
メッシュは15×10センチのラッププログリップを使用しています。
クーゲルを摘出する場合は腹膜を伴っての切除となりますので、最終的に腹膜が寄せられるか配慮しながら操作を進めていく必要があります。実際はかなり欠損しても、バランスよく運針していけば縫合できます。
この症例は再発の中でも術者の疲労度が高い部類でした。出血や組織損傷を恐れながらの操作により、実際の時間としては2時間近くかかりました。超音波凝固切開装置やアリスタ、サージセルなどの止血材料、腹壁欠損用メッシュなど、十分な備えをしたうえで臨んでください。再発治療に初めて挑戦する場合はプラグ再発が比較的やさしいと思います。なお、ラパヘル再発をラパヘルでリペアすることについては、EBM的には現時点で十分と言えません。患者とよく話し合ったうえで術式が選択されるべきでしょう。




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