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腹腔鏡による鼠径ヘルニアの手術の診療明細書に関する疑問

実際に手術をお受けになった患者様より時折頂戴する質問に対してお答えします。

今回のテーマは「自分が受けた手術は左右どちらかの片側であるのに診療明細書に腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(両側)と記載されているのはなぜか」というご質問です。

結論から申しますと、間違いでも不適切でもないということです。ただ、片側しか手術が行われていないのが実際なのに「両側」と記載されるのは、公的な保険診療上のルールであり、医療の1提供者としてはどうすることもできないものの、患者様の誤解の原因となっていることも事実なため心苦しく思っています。

以下、理由を詳記します。

最初に、鼠径ヘルニアの手術は片側のみであっても両側であっても腹腔鏡で行う場合、手術自体の代金は変わらないという制度上の約束事があります。(厳密には使用するメッシュの代金、手術時間が延びる分の代金、その分の薬剤の代金が加算されますが、患者様の自己負担としては1万円以内というところでしょう。)

次に、医学的な手術適応について言及します。保険診療の制度上の適応というのはあくまでも、すでに病気が存在するものを対象とするので、予防的な治療は適応外となります。つまり、鼠径ヘルニアが発症していない健康な鼠径部には、メッシュを入れるなどの治療を行うことはできないということです。「どうせだったら両側一度に手術を受けたい」と希望する患者様も時折いらっしゃるのですが、すでに左右両側を発症しているかたのみが医学的な適応となるのでその点 了承いただいております。この行動は当院のみならず、専門家である私の友人の多くも同様の方針をとっています。
私個人としては、誤解を防ぐ意味でも片側と両側で手術料を変えてほしいと思っていますが、国が決めたことなのでどうにもなりません。診療報酬請求のコンピューターより出力される明細書を改竄したら、それこそ不正行為になってしまいます。

よって、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(両側)という術式は、片側であっても両側であっても手術料自体は一緒なので「括弧付き両側」と記載されているのです。時として、この件、患者様より誤解のもととお叱りを頂戴することがありますが、それはごもっともであるので、記載を工夫してもらうよう当局に働きかけを行っているところです。しかし、医療行政を動かすことは短期のうちにはできません。現状 手術をお受けになる患者様におかれましてはこの件、とくに健康上も経済的にも余計なご負担となっているわけではないので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

鼠径ヘルニアに関する国際ガイドライン International Guidelines for Groin Hernia Management

鼠径ヘルニアに関する国際ガイドライン

2018年は鼠径ヘルニアの治療に関する国際的な方針について大きな動きがありました。
International Guidelines for Groin Hernia ManagementというガイドラインがHerniaSurge Groupという医師団の手により制作されたのです。このグループは世界各地のヘルニア学会の代表を含む19か国、計50名の専門家で構成された組織です。ガイドラインは165ページにわたる膨大な資料で、医学的根拠に基づいて多種多様な論文をスコア化されています。その数3500以上。166の臨床的疑問に対し136の見解と88の勧奨事項が記載されています。

「このガイドラインは法的な強制力はないが、もしこのガイドラインに沿わない治療方針を患者に勧めるなら、その旨を患者に説明し公的記録に収載するべきである」という厳しい一文まで付記されていました。

ガイドラインによると、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術については、外科医の技術・教育・経験により選択されるべきであると述べられています。つまり、正しく行われるのであれば患者さんのキズの小ささ、痛みの少なさ、社会復帰の早さに貢献するが、経験不足の医師が行おうものならメリットを享受できないということになります。そして、この腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術以外の方法で使われるメッシュはたくさんの種類が市場に存在するが、リヒテンシュタイン法用のメッシュ以外のものは勧められないとも記載されています。わが国ではプラグやPHS、UHSといった立体構造をもったメッシュが普及しており、このガイドラインの発表に戸惑っている外科医は多い模様。
世界のヘルニア治療の動向にも目が離せない状況です。幸い、私たちは自分たちの活動が世界のガイドラインにも認められたようなものですが、最新の情報に遅れをとらないように注意して日々の診療にあたってまいります。

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鼠径ヘルニア治療専門サイト

日帰り手術麻酔チームの新著のお知らせ

東京外科クリニックの麻酔統括部長 柏木邦友医師が書籍を上梓しました。
今回は日帰り手術麻酔に並ぶ彼の専門である無痛分娩についてです。
東京外科クリニックの日帰り手術の成功率が高いのは柏木医師が緻密なプロトコールを用意し、それに従って多くの麻酔科医のクオリティコントロールが保たれているためです。当院ではお産は実施していませんが、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術その他の腹腔鏡手術、小児外科手術の安全を担う柏木医師の著作、ぜひお手に取られてください。

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鼠径ヘルニア治療専門サイトよりもお問い合わせいただけます。
https://www.dr-hernia.info/

鼠径ヘルニア修復術に関する新著のお知らせ

星野明弘医師が雑誌「臨床外科」の特集を執筆しました。
正しい鼠径ヘルニア治療普及の意気込みを感じる内容だと思います。

出版社の著作権保護のため、解像度を落としてあります。
お読みになりたい方はご購入くださいますようお願い申し上げます。

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停電時の対応

東京外科クリニックにおける停電時の対応をご説明いたします。

当院は自家発電装置が備えられており、停電となった場合も手術を完遂できる仕組みとなっております。単一の建物の停電ではまず問題はないということです。一方、大規模自然災害などでは、原状回復が見込まれない場合もあり、そのように判断する場合は、安全を第一に考え手術の中断と麻酔の覚醒プロセスに進むこともありますが、電力の遮断だけでは手術中止とはなりませんことをご安心ください。

万が一、自家発電装置にも稼働不良が生じた場合は、電源に全く依存しない 「完全手動による生命維持」だけは可能ですので、患者様の生命に深刻な影響が生じることはありません。麻酔の中和剤はも備えられておりますが、たとえこれらがなくとも、当院では短期間作用の麻酔用薬剤のみが使われているため、投与を中断すれば速やかに覚醒します。

停電時でも基本的に自家発電装置による手術の続行は可能。どんな状況であっても生命はおまもりする。
こういった理念のもと治療を承っております。

鼠径ヘルニア術後慢性疼痛の専門外来を開設します

鼠径ヘルニア術後慢性疼痛の専門外来を開設します

手術を受けてから一定期間(3か月以上と定義)経過しても痛みが良くならない状態を慢性疼痛と呼んでいます。この分野の専門家の診察が当院で受けられるようになりました。
現時点、お名前は明かしませんが、我が国においては間違いなく第一人者とされる先生です。
ご希望のかたは東京外科クリニック03-5283-8614にお電話の上ご予約をお取りください。この慢性疼痛については通常のオンライン予約はご利用になれませんのでお間違えの無いようお願いいたします。

当院は鼠径ヘルニア手術について豊富な経験を有する専門的クリニックですが、他院で手術をお受けになった患者様の相談まで手が回らず心苦しく思っておりました。当院の手術では慢性疼痛はほとんど生じませんが、手術を受けた病院の担当医が慢性疼痛の対応をきちんとできないため、苦しんでいらっしゃる患者様は多いと思います。これからは、「よそで受けた手術の慢性疼痛を相談するのは東京外科さんに悪いな」なんてお考えになる必要はありませんので、お気軽にご連絡ください。

2018年日本ヘルニア学会定期学術集会@札幌

特任院長の松下公治医師、根岸真人医師に留守を任せ、大橋、星野、松村は日本ヘルニア学会定期学術集会に参加してまいりました。
今回は私の恩師である宮崎恭介先生が会長を務めました。宮崎先生がクリニックを経営する札幌の地で学術集会が行われるのはたいへん喜ばしいこと。東京外科クリニックのメンバーも上級演題の発表や座長などを務め各々が活躍しました!
私は、日帰りのヘルニア腹腔鏡手術を安全に行う工夫、事故を未然に防ぐシステムについて日ごろ行っていることを発表してきました。手術がうまいだけではだめであること、手術を「商品」に例えるならその商品の品質管理・品質保証を行い、不良品が出ることが防がれねばならないことを強く説きました。
そして、この機に松村勝医師が日本ヘルニア学会の役員の方々から推薦をうけ評議員を拝命しました。マサル、おめでとう!
華々しい学会活動ができたのも松下医師、根岸医師に留守を任せれたからこそ。こういう期間だからこそ現場をしっかり守りたいと申し出てくれた2人のドクターにも深く感謝しています。
学術集会会期中は診療時間が不規則となりましたが、患者様におかれましてはご理解賜り誠にありがとうございました。
週明けより私も通常通り出勤し、患者様によい治療が届けられるようつとめます。

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自らの発表もしながら全体の司会、座長も務める星野明弘医師

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特殊ヘルニアのセッションの座長を務める松村医師は今回ヘルニア学会評議員に若くして抜擢された

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大活躍の2人でツーショット!

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素晴らしい発表だったよ、星野先生!

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発表しているドクターたちに鋭い質問を投げかける松村医師

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松村医師を一流のヘルニア外科医に育て上げた恩師 日本ヘルニア学会監事徳村弘実先生とともに1枚

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札幌コンベンションセンター 2日間熱い発表と討論が繰り広げられた

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1000弱の演題が集まり盛会に終わる

TAPPがいいのかTEPがいいのか

腹腔鏡下鼠径ヘルニアヘルニア修復術にはTAPPかTEPかどちらがいいかという質問を頂戴することがあります。

結論を先に申しますと、それほど重大な問題ではないと思います。安全に行われるならば、合併症の発生率や再発のリスク、手術時間など大差がないということになります。

では,なぜ東京外科クリニックはTAPPを第一選択としているのかということですが、これは少しでも快適性やキズの大きさを考慮した結果です。TEPの場合、一般的には臍に12ミリのアクセスポートを必要とします。これに対してTAPPは当院のテクノロジーによれば5ミリで可能。キズを小さく、より痛みを少なくという理想に近づくものと考えています。
もちろんTEPにはTEPの利点もありますし、12ミリであっても切開よりははるかに小さいので合格点はとれていると言ってよいのですが、患者様のためにはどこまでも欲張ろうというのが当院の理念です。
なお、TAPPは腹腔内に入り腹膜を切開し縫合する必要があるから、そこにリスクがあるという説もあります。しかし、これは考えようによってはというところでしょう。TEPでも腹膜損傷し操作が後手に回ることもありますし、そもそも「腹腔内を観察しない」ということもまたリスクです。
学会ではTAPP vs TEPという論争も目にしますが、外科医は自分自身の手技に惚れこんでしまうという性があるためでしょうか(笑) しかし、医師が注意義務を守って行う限りは、術式としての完成度の違いはとるにたらないということになります。

我々、東京外科クリニックのヘルニアチームは外科医がいい手術ができたかではなく、患者様がいい手術を受けられたかという視点で医療を見つめていきたいと思います。

『本格キッズドクター体験』 を行いました

年末の投稿以来、ご無沙汰してしまいました。定期的に診療の様子をお伝えしようと始めた当「診療雑記帳」でしたが、日々の診療が多忙を極めそれに悩殺されてしまいました。多くの患者様のお役にたてているのはよいことなのですが…(笑)

さて、私が代表を務める日帰り手術センター東京外科クリニックにおいて、「本格キッズドクター体験」が行われましたのでその報告をさせていただきたいと思います。

本格キッズドクター体験レポート

↑詳しくは上記レポートをお読みになってください。
志あるお子様たちとともに我々も貴重な体験ができました。