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『本格キッズドクター体験』 を行いました

年末の投稿以来、ご無沙汰してしまいました。定期的に診療の様子をお伝えしようと始めた当「診療雑記帳」でしたが、日々の診療が多忙を極めそれに悩殺されてしまいました。多くの患者様のお役にたてているのはよいことなのですが…(笑)

さて、私が代表を務める日帰り手術センター東京外科クリニックにおいて、「本格キッズドクター体験」が行われましたのでその報告をさせていただきたいと思います。

本格キッズドクター体験レポート

↑詳しくは上記レポートをお読みになってください。
志あるお子様たちとともに我々も貴重な体験ができました。

年末のご挨拶

本年も残り僅かとなりました。少し早いのですが当院は年内の手術を全て終了いたしました。当院も患者様の数が多くなるにつれ、患者様の症状も多様となり、一筋縄ではいかぬ状態の患者様も増えてまいりました。
まず当職の専門でもあります成人鼠径ヘルニアの部門につきまして。今年は当職が日頃、切磋琢磨しあっている仲間3人に加わってもらい、クリニックとして大きな力をつけることができました。私一人が困難を抱え込む前に、「一緒に戦おう!」と名乗り出てくれた男たちはいずれも学会などで名を轟かせた猛者ばかりです。
また、日帰り手術の安全性と適応範囲の向上について多くの人たちが協力してくれました。当院麻酔科は術前検査のチェックをより緻密にし、看護部は手術看護認定看護師を迎え院内インフラの整備、エラー防止システムの強化に力を尽くしました。そして、クリニックのすぐそばには、私の親友が勤める救命センターがあり、万が一の際の集中治療を担ってくれます。例えば喘息をお持ちの患者様が術中に発作を起こした場合、すぐに収容してもらえる仕組みになっています。「お互いに断れない仕事をしている。背中は任せてくれ。何かあったらすぐに連絡を」と言ってもらえ、東京外科クリニックは、内のみならず外までも充実した陣容になっております。
 さらに、今年私は日帰り手術センターの代表として、小児外科ならびに乳腺外科の発展も目の当たりにしました。小児外科では山高医師を中心に、幼児の鼠径ヘルニアのみならず、埋没陰茎など、より高度で長時間に及ぶ手術も多数こなしました。乳腺外科では、かなり大きい腫瘍も日帰り手術で扱えるようになりました。癌という深刻な病気を抱えながらも、日々の生活の質を落としたくない患者様の想いに応えられるようになったのです。
東京外科クリニックが今、この国、この時代に存在する意味を深慮し、今年一年を振り返りつつ来年に繋げ、皆様のご期待に応えてまいりたいと思います。多くの医療機関の中で当院をお選び下さった患者様、紹介元医療機関様はもとより、当院の理念に賛同し、苦楽を共にしてくれた仲間たち、先輩がた諸兄に深く御礼を申し上げます。来年もよろしくお願いいたします。

なぜ鼠径ヘルニアの日帰り腹腔鏡手術が可能なのか?

なぜ鼠径ヘルニアの日帰り腹腔鏡手術が可能なのか?

こういった質問を時折いただきます。
元も子もない話ですが、実は「だれだってやろうと思えばできる」のです。
確かに、10年以上前の技術や薬剤で安定した日帰り腹腔鏡手術を提供せよと言われたら私も自信がありません。
しかし、現代では、腹腔鏡手術はかなり普及し、術後の患者さんがどんな経過をたどるかわかってきたこと、必要な時のみ効果を発揮し、手術が終わったら短時間で作用がなくなる麻酔用医薬品が登場したこと、これらを踏まえると「できないわけがない」のです。
ですので、欧米ではすでに日帰り手術というのは多くの施設で行われ、その安全性が証明されています。

では、やろうと思えばできるものをなぜやらないかということが気になりますでしょう?
ひとつは、日帰りの管理体制を取り入れるときの困難です。病院の麻酔科でも年配の先生は未だに旧世代の薬剤を好んで使っています。その経験しか持ち合わせていない医師が主導権を握っている場合は「日帰りなんて危ないことさせられるか」となってしまいます。
それに短期の滞在時間で必要なことを全てこなすには看護職員の教育も十分に行われていなければなりません。
実際に私が勤務医をやっていたころは、全ての患者様に手術前日入院をさせていました。それが病院の命令であったのです。今考えればたいへんな無駄ですが、入院して当日いきなり手術だと看護師が大変だからというのです。
もうひとつ。病院にとって日帰り手術は儲からないのです。わが国の医療制度のなかで、病院経営を安定させるには、入院させてこそ、ベッドを稼働させてこそなのです。患者さんを日帰りさせる仕組みを取り入れる手間、取り入れても忙しくなるばかり、稼ぎは伸びないとなると病院にとってはやる意味がなくなります。
他の病気もたくさん扱っている病院組織には鼠径ヘルニアのためだけに大きなプロジェクトを動かすことができません。「動機づけ」の段階から困難なのです。
私は数少ない鼠径ヘルニアの専門家なので、ヘルニアのことだけを考えて、患者さんの貴重な時間を極力奪わず、安定した技術提供を行うことに心血を注ぎたいという想いが強かったため、「できないね、諦めよう」ではなく「できるようにすればどうしたらいいか」から考えていました。
私は、腹腔鏡というキズの小さい術式が本来は日帰りとの相性がいいことに早くから気づいておりました。麻酔は麻酔でも心臓の大手術と鼠径ヘルニアでは大きく異なるはずです。画一的な麻酔をかけるのではなく、鼠径ヘルニアの手術を行う上で、必要かつ十分な麻酔ができるはずだと考えていました。そこで新しいクリニックの立ち上げを機会に、鼠径ヘルニアの日帰り腹腔鏡手術に適したプロトコールを作ってくれと麻酔科に依頼しました。結果出来上がったのは、最新の薬剤を必要最低限組み合わせたシンプルな全身麻酔。尿道バルーンや経鼻胃管も要りません。私の技術だったら手術にも時間がかからず、不測の大量出血なども起きていないので、日帰り+腹腔鏡手術はこれまで大きな事故・合併症なく500例以上行われております。

もちろん、何かあったときのために、院内で長時間お休みいただける設備を備えておりますし、高度救命施設との連携体制も確立させています。万が一、術後の状態が思わしくない場合は我々は何時間でも付き添います。もう終わりだから帰ってくれということはありません。そして救急車で1分かからない場所に高度救命施設も存在します。

日帰り+腹腔鏡は、概ね健康で日常生活が自立している患者様に提案しております。
心肺機能が思わしくないかたは、日帰り+腹腔鏡の提案ができない場合もあります。ご心配なかたはご来院前にお問い合わせいただければ幸いです。この組み合わせが困難だとしても何らかの治療を提案できております。他院で断わられてしまった方もぜひご相談いただければと思います。

プレスリリースが配信されました!

日本初 “脱腸専門”日帰り腹腔鏡手術 開院2年たらずで500例達成!  
患者の3割は女性 最新技術でキズは僅か5ミリで治療

記事の詳細は以下リンクをご覧ください
https://www.atpress.ne.jp/news/133981

私がヘルニア治療に専念してから長い時が経ちますが、御茶ノ水の地にヘルニアセンターを移してより早2年、知らぬ間に500例を超えていました。これからも一人一人の患者様に真摯に向き合う医療を行いたいと思っています。


東京外科クリニック
www.tokyogeka.com

鼠径ヘルニア治療専門サイト
http://www.dr-hernia.info/

近況

夏は手術を希望される患者様がたいへん多く、日々の業務にいそしんでいる間に、ブログのほうをご無沙汰してしまいました。
私自身はもちろん、東京外科クリニックは新しいメンバーを加え、さらに元気に励んでおります。

最近の出来事としては、私の手術症例数が概算で1500例に達したこと、東京外科クリニックでの手術症例が500例に達したことです。この件については近日、各メディアにプレスリリースが配信される予定です。

なお、今年のヘルニア学会のシンポジウムでは、私のテクニックや日帰り手術の安全管理などについて説明する機会がありました。これをきっかけにヘルニア手術に関心のある全国の外科の先生がたから見学の申し込みがさらに増えた実感があります。

日帰り腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術のリーディングクリニックとして邁進していきたいと思います。

Nuck管水腫に関する特集

Nuck管水腫に関する特集

女性患者様からのお問い合わせの多いNuck管水腫についてまとめました。

【概念】
Nuck管とは女性の胎生期に存在する鼠径部(腿の付け根)の構造です。本来は出生とともに速やかに消退していくものですが、遺残する人もいます。それが嚢腫だとか水腫だとか呼ばれる袋となり内部に液体を伴うようになり大きくなると体表から気づかれることになります。成人では20代~40代の女性に多くみられますが、鼠径ヘルニアとの混同・誤認、一般的な医師の認知度の低さから正確な実数把握は困難です。

【診断】
・体表からの触診
身体の表面からは鼠径部の膨らみとして認知されます。鼠径ヘルニアとの区別がつかないこともあります。
・画像診断装置(CT、MRI、超音波)
液体が描出できれば疑われますが、女性の場合、月経に連動して腹水が増え、鼠径ヘルニアのヘルニア嚢に腹水が流れ込むことでも同じような像になるため、純然たるNuck管水腫なのか鼠径ヘルニアなのか断定ができないこともよくあります。両者の併存例にもしばしば遭遇しますし、鼠径部子宮内膜症がみつかることもあります。

【治療】
・穿刺吸引
注射針で内部の液体を吸い上げることです。一時的には症状はよくなりますが、すぐに元に戻ってしまうことが多いので、積極的には提案されません。(身体の負担が大きい処置ではないので、そのことをご理解いただくために穿刺することもあります(ご希望の強いかたのみ))
・手術
嚢腫の開放・除去を行います。解剖学的には鼠径ヘルニア治療に準じた術式として扱われます。実際に、鼠径ヘルニアの併存もしくは将来的な発生が予見される場合はメッシュを使用することもあります。鼠径部切開でも腹腔鏡でも根治的な手術は可能ですが、後者のほうがキズが小さく痛みも少ないため女性の患者様に好まれる傾向があります。鼠径部子宮内膜症が併存する場合は鼠径部の切開が必須とされることもあり、事前に医師に確認したほうがよいと思います。
・術後経過
鼠径ヘルニア手術と概ね共通です。術後しばらく鼠径部の腫れが残存することがありますが、次第によくなります。1回の術後診察(数日から数週)でほとんどの患者様が終了します。
・再発
頻度は低いと思われます。鼠径ヘルニア併存の場合はその再発はありえない話ではありませんが、正しく手術が行われていれば、それもごくわずかだと思います。


・よくある質問

「手術の時期について」
妊娠中に積極的に行うことはありませんが、手術後すぐに妊娠したり、出産してからすぐに手術をうけたりすることに制限はありません。膨らみのみの場合は手術を急ぐ必要はありません。自然に治ることは考えにくいのですが、放置により「手遅れ」となることはありません。ただし、痛みを伴ってくる場合は、患者様のほうから急いでほしいというご希望をいただくことになりますし、それが妊娠中や育児などで忙しい時期であればご負担も大きいかと思います。痛みの発生は予知できるものではないので、生活上余裕のあるときに手術を受けていただくのが合理的です。

「術式について」
 子宮円索(子宮円靭帯)に対する処理
専門的な内容ですが、ここまで踏み込んで質問をよせられることが増えてまいりました。発生学的にはNuck管と子宮円索の癒合は強固であるため、一緒に切断することを余儀なくされます。それを行うことで手術後の痛みが増悪することはありません。また、子宮円索を切断して、不妊になることもありません。実際に切断しなくて済むのは小さい鼠径ヘルニアに対しメッシュを用いない手術を選択する場合に限るのが現実です。円靭帯内部には血流があり、それが妊娠継続に重要な働きをしているという報告もありますが、そもそも子宮を栄養する血管は他にもあり、一般的には子宮の血流障害という病態は考えにくく、相対的に増量した子宮円索内の血流をみて「重要な働き」と断定するのは早計と思われます。
 メッシュの必要性
厳密に言えば、Nuck管水腫単独の場合は必須ではありません。しかし、鼠径ヘルニアが併存していることも少なからずあります。現行のヘルニア治療ガイドライン(日本ヘルニア学会編)は成人鼠径ヘルニアに対しては原則としてメッシュ使用をする立場をとっています。確かに、女性に関しては異論もいろいろありますので、原則はメッシュ使用としながらも、患者様のご希望に合わせて術式を選択することにしています。いずれにせよ、メッシュが妊娠に悪影響であるという根拠はありません。メッシュによる違和感は一定数ありえることですが、妊娠したから違和感に繋がりやすいという説も出典が不明確です。

「生理周期に連動して痛みに変化がある場合気をつけることは」
子宮内膜症の併存の可能性があります。は問診触診とCTなどの画像診断で確認します。Nuck管水腫単独でも月経に連動した痛みの波はありえることです。なお、鼠径部の子宮内膜症については、一般的には婦人科医の認知度は少なく、鼠径ヘルニアを専門としている一部の外科医のみが診断と手術が可能。後者に絞って医師を探していただけるといいと思います。その医師の所属する病院に婦人科があるかどうかは問題にはなりません。

【最後に】
 聞きなれない病名から難病を想起され不安な気持ちになっておられる患者様もおいでかと思いますが、根治可能な病気ですのでその点はまずご安心ください。手術の時期決定は最終的には患者様のお気持ち次第ではありますが、日帰りで苦痛少なく治療が受けられるようになってきました。まずはお気軽に相談いただければと思います。


東京外科クリニック 大橋直樹
http://www.dr-hernia.info/

浣腸、尿道バルーン、経鼻胃管は本当に必要ですか?

浣腸、尿道バルーン、経鼻胃管


上記の3点セットが行われるのかというのは、よくご質問いただくことですが、

鼠径ヘルニア手術においては、ほぼ「百害あって一利なし」です。


手術前に浣腸を行わないことにより、その後汚れてしまうことはありません。尿道バルーン(ペニスの先から入るチューブ)や経鼻胃管は患者さんに大きな苦しみを与えます。

そういったものが入っているかお問い合わせをいただくことが多いのですが、通常の手術ではまず必要ありません。

どれか一つでも行われている病院が未だに多いのですが、根拠のあることではほとんどなく病院の慣習として行われているに過ぎません。たしかに長時間手術が予想される場合、必要とされることもありますが、1時間前後で手術が終わる当クリニックの手術においては非常に限られます。


これからも本当に必要なことを必要なだけ行い、安全と快適を提供できるようにつとめてまいります。

手術のキズ

【手術のキズ】
鼠径ヘルニアの手術を腹腔鏡で行う場合、キズ痕は小さくめだちません。
この写真は術後1週間の様子ですが、右5mm、臍5mm、左3mmのキズがあります。
臍は従来10mmでしたが、5mmで可能となってからは臍の形がほとんど変化することなく仕上げることができるようになりました。
左右の5mmと3mmを比較するとご覧の通り、5mmのほうが若干大きく見えますが、数か月以上の長期に渡ってみればほとんどわからなくなります。触ってみると少し硬く感じることもあると思いますが、それも次第に柔らかくなっていきます。
キズ痕は年月が経てば経つほどわからなくなり、9割の患者様には1年以上経って、自分でもよく見ないとわからないほどきれいになると報告いただいています。実は1割の患者様はいわゆるケロイド体質のため、ミミズ腫れのような痕が残ってしまうこともあるのです。見た目を気になさらないかたは放置されてかまいませんし、時折痒い感じがあっても心配する必要もありません。
美容の観点でご迷惑をおかけしていることをお詫び申し上げます。
ただ、こういったケロイドの体質のかたこそ、腹腔鏡手術の良い適応だと言えるのかもしれません。
なにしろ、切開で4~5センチも切ってしまったら、その分のミミズ腫れも硬く大きくなってしまうのですから。このミミズ腫れを少しでも改善するにあたり、若干の2次治療を提案可能です。ご希望の患者様は診察いたしますのでご連絡ください。

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鼠径ヘルニア 再発に対する治療 最新動画公開

※本文末尾に動画のリンクがあります。実際の手術映像ですので、苦手な方はご遠慮ください。

当職の投稿は患者さんのみならず多くの医療関係者にご覧いただいております。
今回は比較的最近行われた再発鼠径ヘルニアに対する手術動画を供覧いたします。
再発でお困りの患者さんご自身にはもちろんのこと、ヘルニア外科医を目指す若い先生たちのお役にたてれば幸いです。そして、初発のヘルニアの患者さんたちにとっても、このような高難度の手術をこなせるこのテクニックを安心の材料にご来院いただければと思います。

お問い合わせ、診察予約は、当職サイトで承っております。
http://www.dr-hernia.info/

公式サイト「再発に関する特集」はこちら。
http://www.dr-hernia.info/column/z-hernia8.html

(説明:患者さん用)
左側の再発鼠径ヘルニアです。メッシュが覆い損ねている内側(映像右側)にくぼみが生じています。これが再発したヘルニアです。外側(映像左側)も不十分なのでこちらにもメッシュを敷くことにしました。今回は古いメッシュの大部分を摘出しました。新しいメッシュをきれいに重ねることができる場合は摘出しないこともあります。古いメッシュを剥がす操作は様々なリスクを伴うので、本当に必要な時に限って行います。当然のことですが、重要組織を損傷することなく再手術が行われ、新しいメッシュを十分な範囲に敷くことができました。

(説明:医師向け)
鼠径ヘルニア 60代男性、左側、クーゲル法術後の再発です。
普段もメッシュ摘出には拘っていませんが、この症例は新たなメッシュの敷設の妨げになりそうだったので可能な限り摘出しました。クーゲルの場合は大腿裂孔からクーパー靭帯にかけてのメッシュは剥がしとるのが困難なことが多い印象です。
症状の主因は内側のヘルニア門ですが、背外側の処理も甘いので、ここもカバーできるように計画しました。これで前回の術式は完全にリセットされ、通常TAPPの範囲をリペアできますので、total replacement(TP)と呼んでいます。リスクとのバランスによるでしょうが、私個人としては可能な限りTPするべきと思っています。何しろ、次、再発が起こるとしたら、最後の術者の責任になるわけですから。
この症例では下腹壁血管は切断しなければ先に進めませんでしたが幸い、精索は温存することができました。
男性の場合は、精索を犠牲にしてよいか必ず術前に確認しておくべきと思います。
メッシュは15×10センチのラッププログリップを使用しています。
クーゲルを摘出する場合は腹膜を伴っての切除となりますので、最終的に腹膜が寄せられるか配慮しながら操作を進めていく必要があります。実際はかなり欠損しても、バランスよく運針していけば縫合できます。
この症例は再発の中でも術者の疲労度が高い部類でした。出血や組織損傷を恐れながらの操作により、実際の時間としては2時間近くかかりました。超音波凝固切開装置やアリスタ、サージセルなどの止血材料、腹壁欠損用メッシュなど、十分な備えをしたうえで臨んでください。再発治療に初めて挑戦する場合はプラグ再発が比較的やさしいと思います。なお、ラパヘル再発をラパヘルでリペアすることについては、EBM的には現時点で十分と言えません。患者とよく話し合ったうえで術式が選択されるべきでしょう。